1991

2名のコミュニケーションの乏しい自閉症児間で、ボーリングを遂行させるためのプログラムを作成し、実施した。ゲームを構成している言語性及び非言語性の要素を組み合わせた行動連鎖を形成するために、プロンプトや時間遅延手続きを用いた。その結果、まず第1に、2名の役割を構成する行動連鎖を個々に形成し、第2に、各々の役割を自発的に交代させることを形成し、第3に、指導者が不在の状態でも自発的にゲームを遂行させることに成功した。以上のような複雑な行動連鎖を形成することが、ゲーム遂行の基本的条件である「ルール理解」を促進したと考えられる。また、指導場面に無関係な評定者による評定結果は、指導後のゲーム場面において、自閉症児が相互作用を頻繁に示すようになったと判断した。このことから、本プログラムは、社会的にも妥当な指導プログラムとその手続きであったといえる。

 

 

解説 筑波大学の修士課程の時に行っていたABA療育の研究課題の一つとして遊びの指導というのがありました。M1のある日加藤先生から、プレイルームで二人のASDのある子どもがボールやピンを持って呆然としているベースライン?のビデオを渡され、「ボーリングを二人でできるように指導せよ」とのミッションを与えられました。遊びの中での互いの呼名や役割交代などをスモールステップで教え、いわゆる「ルール理解」の成立を検討しました。最後に指導者なしのプレイルームで果たして二人だけでボーリングで遊ぶのかという般化セッションを実施しました。私にとって「遊び」とは何か?について考え始めるきっかけとなりました。